愛憎が丘
“兄”と呼ぶにはまぶしすぎて、
“恋”と呼ぶには近すぎた。
養女のメレディスがようやく見つけた実の母は、
親子の名乗りを上げてほどなく、重い病でこの世を去った。
だが、娘の存在を知らない実の父が健在と知って、
メレディスは自らのルーツをたどるため、素性を伏せたまま
父の住む地に求職広告を出す。やがて、さる屋敷で雇われるが、
そこには心を大きく揺さぶる男性がいた。ガレスーー
そう名乗った彼は、血のつながらない兄。義理の兄だった。
ガレスはメレディスの亡き母を嫌い、訃報にほっとしたと言い放つ。
メレディスは人知れず傷つき、そして怒りを覚えた。
けれど同時に、彼のことを憎みきれない自分に、戸惑いも感じていた。
原作刊行はなんと1977年! 〈ハーレクイン・ロマンス・タイムマシン〉で刊行した『捨てられた令嬢』が大反響を呼んだ往年の大作家、エッシー・サマーズ。クラシックな雰囲気漂う、傲慢な義兄と孤独な乙女の恋物語をお楽しみください。
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天涯孤独となった娘はやがて、 血の繋がらない兄と出会い、恋を知った。 養子のメレディスがようやく見つけた実の母は、 親子の名乗りをあげてまもなく、重い病で帰らぬ人となった。 だが、娘の存在を知らない実の父がまだ健在だとわかると、 彼女はルーツを探るため、素性を隠して父の住む地に求職広告を出した。 首尾よく、さる屋敷で雇われることになるが、 そこにはメレディスの心をかき乱す男性が暮らしていた。 名をガレスというその人は、彼女の血の繋がらない兄だったのだ! ガレスは彼女の亡き母を嫌い、先の訃報にも安堵したと言い放つ。 人知れずメレディスは傷つき、腹を立てたーー義兄のひどい言葉に。 そして、そんな彼を憎からず思ってしまう自分に。 ハーレクインの草創期にイマージュで活躍した大作家E・サマーズが遺した、未邦訳の古き良き物語を掘り起こしてお届けいたします。愛憎織りなす丘で繰り広げられる、孤独な娘と義理の兄の恋模様を、1970年代のクラシックな雰囲気とともにお楽しみください。 2017/04/28 発売