死ね、死ね、マイ・ダーリン、死ね。死と暴力、初恋と悪夢、身勝手な殺人、抑圧された記憶…ノーベル文学賞有力候補にして、アメリカ・ゴシック・サスペンスの女王、ジョイス・キャロル・オーツによる、怪しいたくらみに満ちた自選中篇小説集。
地下シャトルで十分の裏街。根城にしている墓場の扉を開ける。扉に名前は出していない。幽霊は幽霊だ。名前はいらない。…板張りひと部屋の墓場。ミキサーのコンソールに腰を落ち着け、ちょっとした小品にフィニッシュの色香を加える。自分の固定機に入れて再生し、仕上がりを確認する。早い秋、高原の風。少しマイナーで、やけに軽いビート。OKだ。これでむこう2カ月の酒瓶は保証される。-マインドソフト・デザイナーのハードボイルドにみちた悲劇を描き、〈SFコンテスト〉入選後、話題を巻き起こした処女作「邪眼」を含む作品集。 1988/10/01 発売