小説むすび | マリーナの三十番目の恋

マリーナの三十番目の恋

マリーナの三十番目の恋

美しい三十歳の女性マリーナは、ソルジェニーツィンに傾倒する反体制のピアノ教師。スターリンが死んだ年に生を享け、子ども時代からピアニスト修業を重ねた。父の自殺ののち、祖母に育てられた彼女は、男を愛したことがない。優雅な指としなやかな体をもつ最初の恋人マリヤ、電車に轢かれて真っ二つになったヴィーカ、強盗遊びに大好きだったリューバ、サッフォーの生まれ変わりを自称するニーナ、天使のような顔をした肉感的な唇のサーシャ…。やがて三十番目の恋が訪れたとき、彼女の世界は一変する。『青い脂』とならぶ初期代表作。反体制レズビアンの奔放な性と、旧ソ連の閉塞社会が織りなす奇妙な官能的物語。モスクワ・アンダーグラウンド芸術に参画した若きソローキンによる逆説的ディストピア。

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