チリの地震
古典主義とドイツ・ロマン派のはざまで三十四年の凄絶な生涯を終えた孤高の詩人=劇作家クライスト…。カタクリスム(天変地異)やカタストロフ(ペスト、火災、植民地暴動)を背景とした人間たちの悲劇的な物語を、完璧な文体と完璧な短篇技法で叙事詩にまで高めた、待望の集成。貴重なエッセイ二篇を付し、今はじめてこの天才作家の全貌が明らかとなる。
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若くして一女性と拳銃心中を遂げたドイツ・ロマン派の先鋭クライストの代表的作品を種村季弘の名訳で織り上げる。技巧を凝らした完璧な文体の彼方に誰しも震撼せしめる悲劇の様々な貌が造られ、やがて心をカタルシスへと誘う。珠玉の短篇。 1990/06/01 発売