加藤清正(2(手がら者の巻))
信長の天下統一へ向けての戦いが熾烈さを加えてゆくなかで、主君羽柴秀吉に従い鳥取城攻撃など中国戦線へ従軍。やがて“本能寺の変”から“山崎の合戦”へ。若き日の虎之助清正の勇猛果敢さと、緻密で合理的な性格がしだいに頭角を表わし、つぎつぎに手柄を立てて行く…。部下、同僚、主君との交流のなかに名将の片鱗が爽やかに描き出される傑作長篇。
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十五歳で木下藤吉郎(のちの秀吉)に仕えた虎之助(清正)は、股肱と頼む肉親の少い秀吉の重用に応えて、山崎、賎ケ嶽はじめ数々の合戦に名をあげ、ついに肥後の太守となった。小田原城を陥した秀吉を出迎えて、清正はともに故郷中村に錦を飾る。翌天正19年、太閤となった秀吉は朝鮮出兵を決意し、清正と小西行長に先鋒を命じた。 1986/06/10 発売
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秀吉の死によって朝鮮出兵は不毛のうちに終る。清正・行長の間に根深い対立を残しただけだった。武断派と文治派を代表するその対立は、関ヶ原の勝敗を分ける決め手ともなり、世は徳川氏のものとなった。慶長16年、家康と秀頼の対面が無事終るのを見届けた清正は領国熊本でその生を終える。大阪夏の陣はその僅か4年後だった。 1986/06/10 発売
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勇猛果敢にして慈悲の心のあふれ、今日なお語り伝えられる多くの逸話を残した異色の戦国大名・加藤清正。戦乱の世には剛毅なる武将として名を馳せ、天下治まってからは、築城・治世の名人としてその才能を讃えられた名君。波乱に富んだ全生涯を壮大なスケールで描き、併せて秀吉による朝鮮出兵の知られざる側面を明らかにする。 1994/03/03 発売