加藤清正(上)
十五歳で木下藤吉郎(のちの秀吉)に仕えた虎之助(清正)は、股肱と頼む肉親の少い秀吉の重用に応えて、山崎、賎ケ嶽はじめ数々の合戦に名をあげ、ついに肥後の太守となった。小田原城を陥した秀吉を出迎えて、清正はともに故郷中村に錦を飾る。翌天正19年、太閤となった秀吉は朝鮮出兵を決意し、清正と小西行長に先鋒を命じた。
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秀吉の死によって朝鮮出兵は不毛のうちに終る。清正・行長の間に根深い対立を残しただけだった。武断派と文治派を代表するその対立は、関ヶ原の勝敗を分ける決め手ともなり、世は徳川氏のものとなった。慶長16年、家康と秀頼の対面が無事終るのを見届けた清正は領国熊本でその生を終える。大阪夏の陣はその僅か4年後だった。 1986/06/10 発売
加藤清正加藤清正
勇猛果敢にして慈悲の心のあふれ、今日なお語り伝えられる多くの逸話を残した異色の戦国大名・加藤清正。戦乱の世には剛毅なる武将として名を馳せ、天下治まってからは、築城・治世の名人としてその才能を讃えられた名君。波乱に富んだ全生涯を壮大なスケールで描き、併せて秀吉による朝鮮出兵の知られざる側面を明らかにする。 1994/03/03 発売
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尾張国愛智郡中村の鍛冶屋の子に生まれた夜叉若。喧嘩が強いだけではなく、才知に溢れ、井戸に落ちた少女を、あわてふためく大人たちを尻目に単身で助け出す。やがて母の遠縁に当る近江長浜の領主木下藤吉郎秀吉のもとに赴き家臣の一人に加えられる。そこには利かん気の少年福島市松がいた…。名将清正の少年時代と母と子の交流を描く。 2000/01/20 発売