六ラウンド、二分十八秒の後で
奇跡は、ただ想い続けた人に訪れる
かつて拳ひとつで未来を夢見た若きプロボクサーと、無垢に彼を想い続けた女子高生。交わるはずだった二人の人生は、悲しい別れによって引き裂かれる。そして、四十年以上の歳月を越えたある日──。一通の便りが、止まっていた時間をふたたび動かし始める。
第一章
始まり
新山好次選手
一人のファンの少女
彼女という存在
片恋
スパーリング、そして加藤公也戦
第二章
俺と彼女
チャンピオンカーニバル
新宿の夜
堀内章二さん
調整
減量
六ラウンド、二分十八秒
六ラウンド二分十八秒の後で
第三章
これからの幸せ
現実
狂い始めた歯車
巻き込まれた事件
一時間のデート
第四章
電話
彼女の人生と彼の人生
終章
奇跡の手紙
そして、四十三年
青い空は何処までも続いている