バベルの塔の人々
武蔵証券の秋月は、自らを出世コースから外れた人間と認識していた。そんなある日、自社が、大手外資・ウォールストリート証券救済に動いているという新聞記事を目にする。真偽を疑う社内の空気をよそに、「一万五千人の社員受け入れ。世界規模の事業拡大」が発表された。スーツの下に秘された金融マンたちの実像を描く。破綻した米大手証券を統合する!突然発表されたトップの決断の裏にある真実とはー。元証券会社勤務の著者が業界内部を緻密に描いた本格経済小説。事件の裏側を登場人物がインタビュー形式で語る“ポストモーテム”を各章に収載。