悪魔の抱擁(上)
1870年、アメリカはゴールドラッシュにわきかえっていた。メキシコの大牧場主の娘サマンサは友人の兄エイドリアンとの初めての恋にときめかせていた。けれど肝心のかれは、そんなサマンサの心を無視するかのように、にえきらない態度をとりつづける。いらだつサマンサは、ある日駅馬車の中でかれの気持ちを試そうとする。乗りあわせたハンサムな男ハンクの気をひいて、エイドリアンの嫉妬心をかきたてようというのだ。ところが、その思いは見事に裏切られる-ハンクに純潔を奪われたあげく、エイドリアンはホモだと知らされたのだ。