小説むすび | 冬のバラ(上)

冬のバラ(上)

冬のバラ(上)

18世紀末の北部イングランド。エリエンヌは、父が連れてくる、財産以外には何の魅力もない求婚者たちにうんざりしていた。エリエンヌの心をとらえているのは、ただひとり-父を侮辱し、弟に傷を負わせた家族の敵、クリストファーだけであった。日ごとクリストファーに惹かれていき、結婚話に耳を貸さない娘に業を煮やした父は、ついに、エリエンヌを結婚を条件とした競売にかける。競売の日、エリエンヌをせり落としたのは、呪われた館の領主、仮面と黒ずくめの服で傷だらけの全身を隠したサクストン卿だった。

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