走れ、健次郎
盛岡初の国際マラソン大会に注目が集まっていた。謎のランナーがスタートからコースの沿道を、トップ集団と共に走っているのだ。テレビの視聴者は無邪気に彼の快走を囃すが、大会を無事成功させたい関係者や実況、参加ランナーは戸惑いを隠せない。どうして彼は、まったく報われることのない走りを続けているのか。だがやがて、男の真剣な姿が周りの心を動かし始めー。
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このレースはどこかおかしい、何かが違うー先頭集団が五キロのチェックポイントを通過したとき、地方局アナウンサー桜井剛は奇妙なことに気がついた。盛岡初の国際マラソン大会。スタートから男がずっと走っているのだ、沿道を。しかもトップについて!たった一人、誰の声援も受けず、なぜ彼は走り続けるのか?実況が成功すれば、キー局への移籍も夢ではない桜井は男の存在を無視するが…。快調にレースを引っ張るマラソン界のエース、大会を後援する大手スポーツメーカー社員、アナウンサーの妻、多くの人たちの想いが、謎のランナーに絡まっていく。熾烈なレースの行方は?そして男のゴールとは?やがてその走りは、観る人の心を変えていったー。爽快マラソン小説誕生! 2014/10/10 発売