走れ、健次郎
このレースはどこかおかしい、何かが違うー先頭集団が五キロのチェックポイントを通過したとき、地方局アナウンサー桜井剛は奇妙なことに気がついた。盛岡初の国際マラソン大会。スタートから男がずっと走っているのだ、沿道を。しかもトップについて!たった一人、誰の声援も受けず、なぜ彼は走り続けるのか?実況が成功すれば、キー局への移籍も夢ではない桜井は男の存在を無視するが…。快調にレースを引っ張るマラソン界のエース、大会を後援する大手スポーツメーカー社員、アナウンサーの妻、多くの人たちの想いが、謎のランナーに絡まっていく。熾烈なレースの行方は?そして男のゴールとは?やがてその走りは、観る人の心を変えていったー。爽快マラソン小説誕生!