小説むすび | 遠くで笑い聲が聴こえる

遠くで笑い聲が聴こえる

遠くで笑い聲が聴こえる

-おら、負けねえ。絶対いっぱしの男になってやる。ムクムクとわき起こる闘志のせいか、慣れない長旅のせいか、有二の額に汗が吹き出す。それを腕でグイッと拭うと、有二は眦を決して人波に飛び込んでいった。栃木の糞ガキ鈴木有二が、世界チャンピオン、ガッツ石松への一歩を踏み出す、まさしくその瞬間だった。貧しくひもじかった少年時代、無我夢中で突っ走った青春時代-いつも熱く一途に生きる男・ガッツ石松の半生を、いきいきと描き出した初の自伝小説。

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