紺青の航空軍団(2)
空母インデペンデンスを撃沈させられたアメリカは、日本に対する報復攻撃を開始した。ステルス爆撃機によるピンポイント攻撃は、日本の入間基地に向けられた。航空自衛軍の最新鋭戦闘機「ラン」のパイロット藤原は、間一髪で入間基地を飛び立ち、巡航ミサイルで滑走路を攻撃したステルス爆撃機を追う。ランのアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーは、一度に複数の目標に攻撃を仕掛ける事ができる。「さぁ、入間の滑走路を潰したツケを払ってもらうぞ」操縦桿の上端にある発射ボタンに、親指を伸ばして載せた-。
関連小説
紺青の航空軍団紺青の航空軍団
急降下から一転して、機体は上昇を始めた。「ラン」の細身のボディが捩れ、主翼やコクピット周りのフレームが軋んだ。暗視モニターに、チラリと相手機体の下面が映った。最新鋭の「スーパースター」だ。藤原は「スーパースター」の逃げるコースを予測して、上昇から水平に、そして右旋回と「ラン」の機体を思うがままに操った。ローリング・シザースで振り切ろうとする「スーパースター」を冷静に追いつめて行く。藤原はトリガーを引いた。青白い曳光弾が空間に弧を描く…。 1994/01/25 発売