神聖喜劇(第5巻)
秘された“過去”を負う“被疑者”冬木二等兵の「不条理上申」と東堂二等兵の「意見具申」によってさしもの「剣〓事件」も終熄する。そして事態は、醜怪極まりない「模擬死刑事件」による東堂・冬木らの営倉入りを経て、小説の掉尾を飾るかのような大珍事によって急転回をとげる。…1942年4月24日午前9時55分、主人公東堂太郎二等兵の屯営への訣別と共に、4700枚の壮大なファルスも遂に完結する。
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日本第1の要塞島対馬に、補充兵役入隊兵数百人が上陸したのは、1942年1月のこと。「すでにして世界は真剣に生きるに値しない」と思い定めているニヒリスト東堂二等兵もその中の一人である。厳寒の屯営内で過酷な新兵“教育”が始まる。と同時に稀代の記憶力を駆使した二等兵の壮大な闘いも開始される。戦後日本が生んだ桁はずれに大きい“笑い”の文学巨篇登場。 1991/10/01 発売
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東堂太郎の回想する女性との濃密な交情、日常的に交わされる珍妙な「金玉問答」や「普通名刺論議」…。内務班の奇怪な生活の時は流れる。そして、しのび寄る忌わしい“事件”の予兆。「私は“あるかすかな予感のような物”を見極めるためにも戦争に出かけようとしているのかも知れない…」。 1991/12/01 発売
神聖喜劇(第3巻)神聖喜劇(第3巻)
「私の内面には、曖昧な不安が、だんだん増大しつつ定着していた。早晩必ず何事か異変が起こるにちがいない…。あたかもわれわれの前途に出現するべき禍禍しい何物かの確実な前触れとして…。」東堂太郎の抱く不安が内務班全体にも広がりはじめた頃を見はからうかのように、ついに“大事”が発生した。そして、その渦中に登場する冬木二等兵の謎めいた前身…。 1992/01/01 発売