傑作短編「黒い玉」他、ベルギー幻想派の作家による、ひと味ちがう不気味な物語14編。怖い話、気味の悪い話、いやな話がお好きな方々に。あえて夜一人でお読みになることをおすすめします。
夕暮れどきの宿で、彼がつけた明かりに驚いたかのように椅子の下へ跳び込んだそれは、かぼそい息づかいと黄楊(つげ)の匂いを感じさせる奇妙な〈黒い玉〉。その正体を探ろうと、そこを覗き込んだ彼を待ち受けるのは、底知れぬ恐怖とおぞましい運命だったーー。ベルギーを代表する幻想派作家、トーマス・オーウェンが描くありふれた日常に潜む深い闇。怖い話、気味の悪い話など14の物語を収録する。解説=風間賢二 2006/06/28 発売