小説むすび | 私家版

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三ページ目から、わたしは憎しみに満たされた…憎悪の奔流に溺れながらも、わたしは、この新作がニコラ・ファブリをフランスで第一級の作家に押し上げることをはっきりと予感した。彼の以前の作品と比べて、テーマは新鮮で感動的だし、文体は力強く活力がみなぎっている…復讐の成就のために、この小説の成功を利用できる、とわたしは一瞬のうちに悟った。本が凶器となる犯罪。ページに毒が塗られることもなく、ましてや鈍器として使われるわけではもちろんなく、その存在こそが凶器となる…。「エル」読者賞、ジョワンヴィル市シネレクト賞、フランス推理小説大賞受賞。

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