フォルモサに咲く花
1867年、台湾南端の沖合でアメリカ船ローバー号が座礁し、上陸した船長以下13名が原住民族によって殺害された。本書はこの「ローバー号事件」の顚末を、台湾原住民族「生番」、アメリカ人やイギリス人などの「異人」、清朝の役人、中国からの移民である「福佬人」「客家」、福佬人と原住民族の混血「土生仔」など、さまざまな視点から、また、移民の歴史、台湾の風土なども盛り込みつつ描いたものである。
序 日本の読者に
本書を読むために
第一部 縁起
第二部 ローバー号
第三部 統領埔
第四部 チュラソ
第五部 瑯嶠
第六部 鳳山旧城
第七部 出兵
第八部 傀儡山
第九部 観音亭
第十部 エピローグ
注
[付録]
楔子
後記一 私はなぜ『傀儡花』を書いたか
後記二 小説・史実と考証
訳者あとがきーー解説にかえて(下村作次郎)