蒼老たる浮雲
棟続きの家に住む二組の夫婦。戸口の梶の花のにおいに心乱され不審な行動をとる更善無を、隣家の女、虚汝華が覗き見ていた。その夫、老況は生活能力のない男で、しじゅう空豆を食べている。二つの家の間に漲る敵意と疑念。ある夜、梶の花の残り香の中で更善無と隣家の女は同じ夢を見た…。奇怪なイメージと支離滅裂な出来事の連鎖が深い衝撃を呼ぶ中篇「蒼老たる浮雲」に、初期短篇3作を併録した残雪作品集。
棟続きの家に住む二組の夫婦。戸口の梶の花のにおいに心乱され不審な行動をとる更善無を、隣家の女、虚汝華が覗き見ていた。その夫、老況は生活能力のない男で、しじゅう空豆を食べている。二つの家の間に漲る敵意と疑念。ある夜、梶の花の残り香の中で更善無と隣家の女は同じ夢を見た…。奇怪なイメージと支離滅裂な出来事の連鎖が深い衝撃を呼ぶ中篇「蒼老たる浮雲」に、初期短篇3作を併録した残雪作品集。