小説むすび | 旅に出る時ほほえみを

旅に出る時ほほえみを

旅に出る時ほほえみを

“人間”が怪獣をつくりだした。合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、前肢の鑿岩機で地中を進み、また拙いながら人間のことばも話した。怪獣を創造した科学者、“人間”は自ら怪獣に乗りこみ、地下潜行試験を繰り返していた。一方、市内で発生したストライキを鎮圧した国家総統は独裁体制を推し進める。「旅に出る時ほほえみを…」金属製の怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎ話。

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