小説むすび | イーサン・フロム

イーサン・フロム

イーサン・フロム

マサチューセッツ州スタークフィールドで冬を過ごすことになった語り手の「私」は、足をひきずった寡黙な男をたびたび見かけていた。聞くに、イーサン・フロムなるこの土地の男で、かつてひどい「激突」を起こして以来、足が不自由になったのだという。思いがけず「私」はフロムに馬橇で駅まで毎日送迎してもらうことになるが、ある晩、ふたりは帰り道に吹雪に巻き込まれ、フロムは途上にある自宅に「私」を招き入れる。そこで「私」が目にしたものとはー。寒村の孤独、親の介護、挫かれた学業、妻の病…厳冬に生を閉ざされた主人公フロムを襲う苦難、そんな日々に射し込んだささやかな幸福、その果ての悲劇を精緻な技巧で描くアメリカ文学の古典。待望の新訳。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP