小説むすび | クルーゾー

クルーゾー

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1989年夏の東ドイツ。大学で文学を学ぶエドは、恋人を事故で亡くして絶望し、人生からの逃亡を決意する。向かったのはバルト海に浮かぶ小さな島、ヒッデンゼー。対岸にデンマークを望むこの島は、自由を求める人々の憧れの地だ。島に到着したエドは、さしあたり一夏を過ごそうと「隠者亭」の皿洗いの職に就く。実質、島はクルーゾーというカリスマ的な男によって統治されていた。強烈なパワーで周囲を動かすクルーゾーに、エドは畏怖と憧れを抱く。やがて、クルーゾーは詩への情熱からエドを特別な存在として認め、二人は心を通わせ、深い絆で結ばれていく。だが、夏が終わり、秘かに国境を越えようと住人が一人また一人と去っていくと、平穏な日々に亀裂が…。最後に一人、島に残った男が知る世界の大転換と、友との約束とは?夢と現実の境界を溶かす語りで国家の終焉を神話に昇華させた、ドイツ書籍賞受賞作。

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