アガサ・レーズンの不運な原稿
アガサは愛しい人への未練を断ち切るため、やけくそで地図の上にピンを刺し、適当に引っ越し先を決めた。ところがそこは、とんでもなく閉鎖的な田舎の村だった。すぐに村人から、引っ越しの理由をあれこれ詮索されるはめに。「男に捨てられた可哀そうな女」と見られるのが嫌でアガサはつい、探偵小説を書くためにやってきたのだと見栄を張ってしまう。そして嘘にならないよう、どうにか村のお屋敷をモデルに描きはじめた矢先、なんと彼女の描いた手口どおりに、お屋敷の主人が殺されてしまった!退屈しのぎにやってきたチャールズとともにアガサは事件を調べ始めるものの、警察からは最重要容疑者として目をつけられてしまい…!?駆け出し時代の若きアガサを描いた短篇「アガサ・レーズンの初めての事件」も特別収録!