壁の花のひそやかな願い
困っている人をほうっておけないベスは、おじの友人である公爵未亡人のコンパニオンをつとめることになった。公爵未亡人の孫は、多くの女性と浮名を流していることで有名な、ブラックシャー公爵アレックス。「枯れかけた壁の花」と呼ばれる三姉妹の次女ベスにとっては苦手なタイプで、関わりをもつ日が来るとは夢にも思わなかった。アレックスはわけあって、祖母を田舎の屋敷に避難させたがっていた。説得してほしいとベスに頼んできたが、彼女は公爵が祖母を邪険にしていると思い憤慨する。せめて孫と一緒に過ごす時間を作ってあげようと、「公爵未亡人の願いを三つかなえること」を条件にしぶしぶ承諾した。二人は公爵未亡人のために協力するうち、互いに魅了されていく。しかし放蕩者の彼を信じてよいものか、ベスは不安に思ってしまい…。