旗本花咲男(上)
慶長二十年、大坂夏の陣において、真田幸村の猛撃に徳川旗本衆は総崩れとなり、家康の命もあわやという土壇場、ひとり踏みとどまり、御大将の窮地を救った初代から数えること、百三十年。時は八代将軍の御世が終わりを告げる頃。下膨れの童顔に大きな瞳。眉間には「桃割れきず」。八百八町、その名を知らぬ者なき茶乙女家七代目、留主水之介康景。「身の生業も旗本の、分を超えた人助け。只今参上仕る!」。
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旗本花咲男旗本花咲男
時は江戸時代。いままさに八代将軍吉宗から九代家重に移ろうとする時世であつた。そんな世に男がひとり。名は茶乙女留主水之介。眉間にふしぎな桃割きず、そして放屁自在の技を持ち、代々江戸城内での放屁を許された三千石の旗本、茶乙女家の当主であった。そんな彼がさまざまな放屁の技を駆使し、将軍の落としだね騒ぎ、大盗賊日本左衛門騒ぎなど江戸八百八町に起る事件の解決に活躍するー傑作痛快娯楽時代小説登場。 1991/01/01 発売