めぐりあう日まで
シスターになって、一生、修道院で穏やかに暮らしたい。ベスの敬虔な願いは、娘の財産を使いこんだ母によって断たれ、彼女は侍女として、さる伯爵家に仕えることになった。ある日、ベスが早朝に城の礼拝堂で祈りを捧げていると、男らしい低い声が響いた。「神が天使を遣わしたとみえる」青い瞳と尊大な態度のその男性は、次期国王の親族グリフィスだった。だがベスは相手が誰かを知らず、彼に湯浴みの世話を望まれたとき、恥じらいと背徳の念をおぼえ、すかさず断ってその場を去ろうとした。「それなら仕置きをせねば!」グリフィスの顔色が変わり、彼は立ちすくんだベスの唇を、うむを言わさず奪った…。