ギリシア大富豪の愛し方
夫の家を出て2年、レクシーはようやく心の傷も癒えて、宝飾デザイナーとして自立の道を歩み始めていた。そんな矢先、別居中の夫ゼノンが突然彼女の前に現れる。彼女の弟が多額の借金を抱え、ゼノンに泣きついてきたというのだ。「僕が善意だけで君の弟を助けるとでも思うのか?」以前と変わらぬ端整な顔に不敵な笑みを浮かべたゼノンの言葉に、レクシーは身を震わせた。やはり彼は変わっていない。二度目の流産のあと、傷ついた妻を冷たく拒絶したあの日から…。ゼノンは厳しく告げた。「君には妻として戻ってもらう」いったい彼は私をどうするつもり?レクシーの心は乱れた。