億万長者の残酷な嘘
仕事でギリシアの島を訪れたエンジェルは、島のオーナーのアレックスに出迎えられた瞬間、記憶の底に封印したはずの思いがよみがえり、凍りついた。彼とは6年前、たった一度だけ熱い夜を共にした。アレックスの誘惑は抗いがたく、彼女は純潔を差しだしたのだ。ところが翌朝、彼は別人のように冷淡な態度で帰り支度を始めた。そのときだった、ポケットから結婚指輪が落ちたのは…。そしていま、目を合わせた瞬間、エンジェルはすぐにわかった。彼は私を覚えている!まさか、また誘惑するつもり?いいえ、もうその手にはのらない。私は5歳になる娘の母なのだから。