小説むすび | ゼウスにさらわれた花嫁

ゼウスにさらわれた花嫁

ゼウスにさらわれた花嫁

“君は僕のもの。僕の島へ来て妻となる。髪に花、首には宝石”ギリシア富豪レオンの言葉が、いま現実になろうとしている。9日前、看護師のタラは患者のレオンにいきなり唇を奪われた。ふたたび唇を奪われた夜、タラは我知らず結婚を承諾していた。しかしほどなく、巧みな口づけと愛撫の呪縛が解けると、タラは恥ずかしさで死にたくなった。彼女には婚約者がいた。レオンを避け続け、予定どおり結婚の日を迎えたタラだったが、何者かに拉致され、抵抗も空しくギリシア行きの船に乗せられた。いまだ花嫁姿のまま、レオンへの憎悪を胸にたぎらせながら。

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