小説むすび | 不実なシチリアの貴公子

不実なシチリアの貴公子

不実なシチリアの貴公子

リアは、数週間ぶりに恋人ジャコと会えた喜びに胸躍らせていた。世界を飛び回る富裕な実業家の彼が、帰宅早々、仕事の電話があると寝室に引き揚げてしまっても、幸福に満たされていた。赤ちゃんができたのーそう告げたら、彼は喜んでくれるかしら?待ちきれず寝室へ向かったリアはしかし、ドアの前で凍りついた。「愛してるよ、フランチェスカ」私の知らない女性の名を、甘く囁く彼。リアは絶望し、黙って彼の前から姿を消した…。1年後、生後まもない息子とリアの侘び住まいに、侵入者がー。

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