白き薔薇は蕾のまま
ミミは、親友の兄で大富豪のバルサに熱を上げていた。黒い瞳の彼のけだるげな微笑には、どんな女性をも虜にする魔力があった。だから彼が手を差しのべてくれたあの夜、王子様に見初められたシンデレラのように幸福だった。けれど、請われるまま純潔を捧げようとしたミミを、彼は置きざりにして部屋を出たきり、戻ってはこなかったのだ。ミミは深く傷つき固く心に誓った。もう一生恋などしない、と。なのに2年後、再会した彼の逞しい体躯と端整な顔を見た瞬間、ミミの意志に反して体は熱くなり…。
ミミは、親友の兄で大富豪のバルサに熱を上げていた。黒い瞳の彼のけだるげな微笑には、どんな女性をも虜にする魔力があった。だから彼が手を差しのべてくれたあの夜、王子様に見初められたシンデレラのように幸福だった。けれど、請われるまま純潔を捧げようとしたミミを、彼は置きざりにして部屋を出たきり、戻ってはこなかったのだ。ミミは深く傷つき固く心に誓った。もう一生恋などしない、と。なのに2年後、再会した彼の逞しい体躯と端整な顔を見た瞬間、ミミの意志に反して体は熱くなり…。