小説むすび | 大富豪と捨て子の天使

大富豪と捨て子の天使

大富豪と捨て子の天使

病院での夜勤のあと、ピクシーは兄の話を聞いて耳を疑った。面倒を見るのがいやで、私の子を捨ててきたですって?いいえ、兄のめあては子供の父親ギリシア富豪トールのお金だ。1年半前、ピクシーはトールに純潔を捧げて身ごもったが、妊娠を告げると、“君を知らない”と彼に追い払われたのだった。急いで会いに行った彼は、今もハンサムで堂々としていて、ピクシーは安っぽい自分の格好を恥ずかしく思った。でも昔と同じ屈辱を味わってでも、トールには真実を伝えよう。どうか母親失格だといって、彼があの子を奪いませんように…。

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