小説むすび | 偏見と嫉妬

偏見と嫉妬

偏見と嫉妬

父が莫大な借金を抱えたまま他界し、ドーラは16歳で全財産を失った。兄と力を合わせ懸命に生きてきた10年後のある日、彼女のもとに思いがけない知らせが届いた。父亡きあと人手に渡った屋敷がふたたび売りに出され、ドーラ兄妹の幼友達で実業家のコールが買い取ったという。かつて貧しい職人の子だった彼は、行方不れずの10年のあいだに持ち前の才覚で事業を成功させ大富豪になっていたのだ。昔から反目し合う仲の彼に思い出の屋敷を奪われるなんて…。さらにコールは、ドーラの兄の店に資金援助を約束する一方で、彼女に尊大に命じたー屋敷でハウスキーパー兼秘書として働け、と。

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