小説むすび | 獅子と醜いあひるの子

獅子と醜いあひるの子

獅子と醜いあひるの子

よってたかっての“職場いじめ”。
路頭に迷った醜いあひるの子は……。

役員秘書として一流企業に入社したカーラは希望に満ちていた。
順風満帆な暮らしはしかし、たったの3カ月で潰えてしまう。
秘書室の同僚らに陰湿な嫌がらせをされ、退職を余儀なくされたのだ。
さらには家主からも住み慣れた小さな家を追い出されそうになり、
カーラは思わずにじんだ涙をぐっとこらえた。
わたしを私立学校に入れるために大きな犠牲を払った田舎の両親には、
こんな姿は見せられないーー入社を誰よりも喜んでくれていたから。
新たな職を求め、従姉に紹介された実業家マックスの豪邸を訪ねると、
美しき獅子のような鋭い瞳の男性が現れ、カーラは震える声で懇願した。
「今日1日無給でいいので、あなたの手足となるチャンスをください」

マックスはカーラを秘書に雇ったとしても、せいぜい1カ月と心に決めています。一方、カーラは心ないいじめを受け、路上に放り出されそうになって身も心も限界なのに、なんとしても職を得ようとがんばります。けれども、ある日とうとう過労がたたって……。

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