小説むすび | 黄金の鎖

黄金の鎖

黄金の鎖

「グレッグが戻ってきたの」母の言葉に、スーザンは耳を疑った。19歳で結婚したものの1年もせずに別れた元夫が、彼女の父と仕事をするために、この地へ帰ってきたのだ。もともと厳格な両親と折り合いが悪かったスーザンは、規範にとらわれないグレッグの奔放さに憧れて妻となったが、最愛の兄を亡くして別人のように変わってしまった彼になじめず、彼女から離婚を切りだしたのだ。それは、幼すぎた過ちだった。6年経っても、彼の名を聞いただけでこんなにも心が乱れるというのに、今さら笑顔で再会するなんてできない。だが、動揺を隠せないスーザンに追い打ちをかけるように、グレッグと“親しい”という女性が現れ…。

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