小説むすび | 涙のホワイトクリスマス

涙のホワイトクリスマス

涙のホワイトクリスマス

あと少しでクリスマスを迎える冬のロンドンで、派遣メイドのグレースは超高級ホテルの客室係として働いていた。ある雪の日、いつもとは違う部屋の清掃を任され、はじめて足を踏み入れたのは最上階のスイート。ホテルのオーナーである美しき大富豪フィンリーが使っているという。壮観な眺めを誇る部屋に入ると旅行かばんが置かれていたので、中身を片づけていくうち、奥からツリーに飾る天使の像が出てきた。洗練されているけれど冷たい感じのこの部屋をクリスマスらしくしたら?そう思いついたグレースは即座に行動し、完璧な飾りつけをした。フィンリーから罵声を浴びせられ、涙を流すことになるとも思わずに。

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