マラカイオスの孤独な花嫁
マルゴは恋人のギリシア富豪レオに、いきなり求婚された。一族の大企業を率いる彼は、跡継ぎをもうける決意をしたという。母親にないがしろにされ、里親を転々として育ったマルゴは、愛する人にはいずれ見捨てられることを思い知っていた。だからこそ、自分は誰とも愛に基づく関係は築けないのだと悟り、やむなく求婚を断ると、レオは最後に体を奪って去っていった。そのときに彼が見せた瞳の冷たさは、本当の終わりを告げていた。だが1カ月後、マルゴは体に変調を覚えた。まさか、赤ちゃん…。予期せぬ事態に、彼女は途方に暮れた。愛を注がれずに育ったからこそ、子供には両親の愛を与えたい。でも、今さら彼にどう告げたらいいの?