素直になれない二人
両親亡き後、姉たちとわびしい家でつましく暮らすジュリア。ある日、姉の婚約者の上司であるオランダ貴族、ヘラルト・ヴァン・ダー・マース教授の訪問を受けた。ちょうど、さるパーティに出席するため、必要な迫られてカーテン生地でドレスを作ろうとしているところだった。それを教授に笑われ、ジュリアは顔を赤らめた。なんて意地悪な人…。けれどその後も、なぜか彼のことを考えてしまうのだった。パーティ当日、手製のドレスに母の形見のショールを羽織った彼女は、会場にたどり着いたとたん、思いがけない人物の姿に驚くーああ、ヴァン・ダー・マース教授が、どうしてここに!