小説むすび | 愛に気づかずに

愛に気づかずに

愛に気づかずに

家も仕事も失い、ぽつんと一人。
立ち尽くす娘を拾ったのはーー

エマは、父が生前、投資に失敗して多額の借金を残したと聞き、
住んでいた家や家財を手放すことになって呆然とした。
母と二人で、別荘代わりに使ってきた避暑地の小さな家に移り住んで、
パートタイムの仕事を探し、ゆとりはないがなんとか生活の目処を立てる。
しかし、贅沢に慣れた母は質素な暮らしに適応できず、エマを困らせた。
そんな彼女にとって、診療所のいつも冷静沈着なオランダ人医師、
ドクター・ヴァンダイクだけが密かな心の支えだった。
でも、いつか国へ帰ってしまう人に、恋なんかしちゃだめだわ。
やがて季節が移り、エマは母の気まぐれで家を追い出されることになり、
それまでの仕事も失って、寄る辺のなさに涙をにじませた。
するとなんと、帰国するヴァンダイクがエマも連れていくと言いだし……。

唯一無二の作風で綴られる名作を厳選してお贈りする〈ベティ・ニールズ選集〉です。本作は、すべてを失ってしまった不運な娘と、年上の裕福なドクターの恋物語。幸せな結婚は、情熱に任せてするものではないーーそう告げるヒーローの真意は?

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