小説むすび | 裏切りののちに

裏切りののちに

裏切りののちに

この胸が痛いのは、捨てられた記憶と、
あの頃のままの、あなたのせい……。

シドニーのさる裕福な実業家が隣の屋敷を買ったと聞いたキャシー。
屋敷内の品々が競売にかけられるというので行ってみると、
新しい主としてそこにいたのは、なんとダン・マッケイだったーー
9年前、妻の存在を隠し、二十歳のキャシーに甘い恋を経験させながら、
突然〈ぼくのことは忘れてくれ〉という手紙一つで彼女を捨てた男!
でも、精悍な黒い瞳も、長身の体も、胸が痛くなるほど昔のままだ。
思わぬ再会に動揺するキャシーをもてあそぶように、ダンが唇を奪う。
だめよ、二度と彼を信じたり、近づけたりしては。
私には守るべき者がーーダンに知らせずに産んだ子がいるのだから。
するとそこへ、父親譲りの漆黒の目をした息子が駆けてきた。「ママ!」

大ベテラン作家ミランダ・リーによる、シークレットベビー物語。裏切られた心の傷はまだ癒えていないと、ダンを遠ざけようとするキャシーですが、たった一度のキスであの頃の感覚がいっきに目覚めてしまい……。ダンが彼女のもとを去った理由とは、いったい?

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