小説むすび | まごころ

まごころ

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二十歳のマリークレールは、傷心旅行でスイスまでやってきた。ホテルに着いたとき、ちょうど出てきた男性とぶつかってしまう。精悍な顔だち、冷たさすら感じるようなグレーの瞳をした彼は、このホテルのオーナー、リー・ハーパーだった。男性とはもう関わらないと心に決めていたのに、苦しいほど胸が高鳴る。それもそのはず、マリークレールがまだ学生だった5年前、リーに車で轢かれかけたときに優しくされ、密かに恋をしたのだった。まさかこんなところで…もう二度と会うこともないと思っていたのに。ところが、リーは彼女を覚えていただけでなく、熱い誘惑を仕掛けてきた。「マリークレール、きみは逆らえはしないんだ。逆らわせはしない」

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