小説むすび | 麗しの貴婦人と介添えの娘

麗しの貴婦人と介添えの娘

麗しの貴婦人と介添えの娘

エリザベスは夜会で魅力的なサー・リチャードに再会し、言葉を失った。親に決められて、少女の頃から密かに憧れる彼の許嫁となったが、16歳のとき、彼に愛されていないことを知って結婚を断ったのだ。今、麗しい淑女に変身したエリザベスに、彼は目を奪われている。けれど、彼女の心は喜びよりも、不安でいっぱいだった。じつは1年前、軍人の看護をしていたとき、偶然彼と出会っていた。傷ついて一時的に視力を失ったリチャードに素性を隠したまま尽くし、救いを求める彼の腕を拒めず枕を交わしたのだったーああ、どうか今あなたの目の前にいる私が、あの愚かな看護師“メアリー”だと、気づかないでください…。

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