小説むすび | 十二年目のシンデレラ

十二年目のシンデレラ

十二年目のシンデレラ

出会いなおして、恋をして、
そしてふたたび傷ついてーー

「起きろ! ぼくの別荘でいったい何をしている?」
リーズが驚いて顔をあげると、目の前に初恋の人がいた。
12年前より背が高く、たくましくて魅惑的なケイドーー
彼はいまや成功した実業家で、わたしとは別世界の住人だ。
その証拠に、フロリダのこの高級リゾート一帯は彼のものだという。
たがいに戸惑いながら言葉を交わすうち、
ケイドの父親によって引き合わされたのだと気づいたときには、
ふたりは嵐のせいで彼の別荘から出られなくなっていた。
1週間の間だけーーそう自分に言い聞かせ、リーズは夢見ることにした。
美しく静かなこの場所で、かなうことのない愛の続きを。

すべてを忘れて、昼夜を問わず自由奔放に愛し合うふたり。やがてケイドが愛を告げ、リーズはかつて彼のもとを去った理由と秘密をついに告白せざるを得なくなり……。救いのない世界で生き延びた乙女の、切なくも美しい恋物語。『孤高の富豪を愛したら』関連作。

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