伯爵の無垢な乙女
上流階級の生まれのルーシーは極貧生活を強いられている。母が亡くなる前から賭博に手を出した父があちこちで借金を作り、そのたびに夜逃げを繰り返してきたから。父が突然姿を消した今、路上でバイオリンを弾いて恵んでもらうお金だけが唯一の収入だ。ある日、ルーシーの住まいに背の高いハンサムな紳士が現れた。わたしをこんな生活から連れ出してくれる、夢の人…?だがルーシーの期待も空しく、その紳士ーキャンボーン伯爵は険しい顔で彼女の父親を出せと言った。莫大な借金があるというのだ。父の居所にまったく心当たりがないとルーシーが震えながら告げると、伯爵は灰色の目を細めて、残酷な提案をした。