小説むすび | 道化師は恋の語りべ

道化師は恋の語りべ

道化師は恋の語りべ

“下っ端の少年”に扮した娘は、
切ない恋心までは隠しきれなくて……。

荘園の娘エリザベスは独り、必死に宮廷を目指していた。
父の急死につけこんで結婚を迫る不気味な婚約者から逃れるには、
名付け親である女王陛下に助けを求めるしかないのだ。
その途中、彼女は宮廷道化師のタールトンと巡りあった。
まさに水も滴るいい男といった風情の彼は、美しい歌声に、
陽気な性格、そして鋭い頭脳を持つ魅力あふれる人物だった。
心細かったエリザベスが思わず宮廷までの護衛を頼むと、
彼は追っ手の目をくらますため、弟子になりすますよう彼女に提案した。
戸惑うエリザベスだったが、美しい金髪を切り捨て、少年を装ったーー
厳しくも優しいタールトンを、愛してしまうことになるとも知らず。

男性的、そして人間的魅力を放つヒーローが印象深い伝説的名作! いかにも世事に通じた不埒者の雰囲気を醸すヒーローに対し、慣れない男装から始まり、初めてづくしの旅路に健気に耐えるヒロイン。読みどころ満載の本作は、最後の最後まで飽きさせない展開です。

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