小説むすび | 富豪に恋した灰かぶり

富豪に恋した灰かぶり

富豪に恋した灰かぶり

プレスリーは意地悪な継母が売り飛ばしてしまった愛馬に一目会いたくて、ハリントン家の厩舎へと急いだ。舞踏室は今、パーティーの真っ最中だ。愛馬との再会を喜んでいたそのときー。「ここで何をしている?」怒声が静寂を破り、彼女は驚いて振り向いた。憂いを秘めた端整な顔。新聞の社交欄の常連、資産家のケイン・ハリントン。事情を話すと、意外にも彼は馬を返すと言った。ただし、交換条件は彼の恋人のふりをすること。莫大な財産目当ての女たちを追い払うには君みたいな娘がぴったりだ、と。ずっと醜い娘と言われて育った私には、とても無理よ…。目を伏せる彼女に、練習と称してケインはいきなりキスをした!

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