小説むすび | 忘れ形見のゆくえ

忘れ形見のゆくえ

忘れ形見のゆくえ

女手一つで子育てをしながらベーカリーを営むクララのもとに、莫大な遺産を受け取るための手続きをしてほしいと弁護士がやってきた。生まれてすぐに名前もないまま捨てられた彼女には、身に覚えがない。聞けば、遺産を残したのは4年前に一夏を過ごした元恋人で、相続人に指名されたのは、彼の子である3歳の息子だという。亡くなった元恋人が英国貴族の血を引く名門の御曹司だったなんて…。翌週、NYにある一族の屋敷を訪れると、そこにいたのは、元恋人に瓜二つだが雰囲気の違う双子の弟で敏腕実業家のグラントだった。丁寧に接してもらううち、やがてクララは心を奪われそうになるー境遇も何もかもかけ離れた彼に恋したところで、一縷の望みもないのに。

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