小説むすび | 瞳の中の切望

瞳の中の切望

瞳の中の切望

赴任先のイタリアの病院で上司となる男性を見て、ケリーは絶句した。ルカ・フェレーロ!2年前、彼は恋人だった私のもとを突然去った。ただ一言、別の女性と結婚することになった、とだけ告げて。ケリーは深く傷つき、やっとその痛手から立ち直って、今まさに、新しい人生の一歩を踏み出そうとしたところだった。まさかこんな形で再会するなんて…。もう忘れたつもりでいたのに!いいえ、彼はただの上司。距離をおいて冷静にふるまわなくちゃ。どう転んでも、ルカはもう、別の女性の夫になったのだから。だが、ケリーはまだ知らなかったールカが今は独身であることも、彼の結婚には、彼女が想像もしなかった理由が隠されていたことも。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP