王子が選んだ十年後の花嫁
シドニーは30歳の誕生日に突然現れたハリールから求婚され、動転した。学生時代、彼とは固い友情で結ばれていた。引っ込み思案の彼女を異国の王子ハリールはいつも励まし、勇気づけてくれた。やがて感謝の想いは恋心へと変わり、5年前、王位継承のため帰国するハリールについに愛を告げた。だがなぜか彼は冷たく拒絶し、絶縁を言い渡して去ったのだ。まだあのときの傷さえ癒えていないのに…。シドニーは求婚を一蹴するが、2週間だけ滞在してはと誘われ、思わず心が揺れるーハリールの密かな企みにも気づかずに。