初めて知った恋だから
どうしよう!だいじな、だいじなバッグを盗まれてしまった!兄の借金を返すために母の形見を売って得たお金が入っていたのに…。顔面蒼白のメレンは、たまたま通りかかった親切な男性に勧められ、高級住宅街に立つ屋敷の豪華な客間で休ませてもらうことになった。すると、よく響く声が聞こえてきた。「これ以上浮浪者はごめんだぞ」まさか私のこと?すてきな声だけれど、言っていることは酷いわ。声の主は、助けてくれた男性の兄で、世界的企業の重役ジャラッド。彼はメレンの切羽つまった事情を聞くと、援助を申し出た。その真意を疑いながらも、メレンは申し出を受けるほかなかったーそれが、ジャラッドの代用恋人としての“契約料”になるとも知らずに。